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整合器についての技術情報

整合器とはなんですか?

整合器というものを一言で表すなら、『電力を、送り側から受け側にスムーズに受け渡しする器械』です。
しかしながらこのように言われても
「線をつないで電気をかければ、電気が流れるのは当たり前のことだ。送り側から受け側に電気を流すだけなのに、スムースも何もないだろう。」
と思われるでしょう。ところが実際には
「線をつないで電気をかけても、電気が流れない。それどころかかけた電気が跳ね返ってくる。」
という状態になることがあります。

上の話では”電気が、電気が”と言っていますが、”電気”といっても電気単位を十把一絡げにして話をしても混乱しますので、上のことをもう少し詳しくいうと
「電圧をかけても負荷に対して効率よく電流が流れない。また、かけた電圧が跳ね返ってきてしまう。」
という状態です。
なぜそうなるのか。それは「交流」であるからです。
「交流」とは、電流の向きと大きさが一定周期で交互に変わることを言います。電流の向きと大きさが変わるのと同じく、電圧も向きと大きさが一定周期で交互に変わります。



電気エネルギー

とある回路があるとします。電球の片端から線が出ていて、その線がそのまま電球のもう片端につないであるとします。



当たり前の話でこれだけでは電球は点灯しません。エネルギー源がありませんから。
そこで電球を点灯したい場合には、回路中にエネルギー源である乾電池を電球に直列に入れて”起電力 E”をかけます。



”起電力 E”をかけると”電流 I”が電位の高い所から低い所へと流れることになります。電流が電球中を流れるとき、光と熱に変わりエネルギーとして消費されます。そして電球の両端では電圧降下と呼ばれる”電位差 V”が発生します。このとき、電位差 Vと電流 Iとが比例関係になります。これが「オームの法則」と呼ばれるものです。そして、オームの法則から”電気抵抗 R”が算出されます。
電気エネルギーは乾電池から電流として送られ、電球で消費されます。はじめに電圧や電気抵抗ありきではなく、電気エネルギー(起電力 E)をかけて電流が流れてそれが仕事量に変わります。”電流 I”と”電位差 V”を元にオームの法則から”電気抵抗 R”そして”電力 P”が計算されます。

物理学者のオームは、”電流が流れるとき導体中で電位差が発生する”ことを再発見し、そこから電気抵抗という概念を考え出し、単位として[Ω]が使われるようになりました。電流と電圧との比例定数の発見というわけです。オームの法則でよく誤解されるのは、電気抵抗があるから電流が制限され電圧が発生する等といった解釈ですが、それは違います。電気エネルギーを運ぶ電流という存在があり、その電流が他のエネルギー(熱や光)に変換されるときに電位差として現れる、ということです。
電気の歴史では、ボルタが電池を発明し、アンペールが電流と磁性の関係を研究し、オームが導体中の電位差と電流との関係を再発見した、という流れです。こういった経緯からも、電流というものが電気を考える際の基本となっています。



電流が流れないと始まらない

電流とは電気を帯びた粒子(荷電粒子)の移動によって生じる電荷の流れです。
そして、この電荷が導体の断面を単位時間にどれぐらい通過するかの量を表したものを「アンペア [A]」という単位で表します。
電気の単位はすべてこのアンペアが基本になっています。
電流は国際単位系(SI)にある定義された「基本単位」です。基本単位とは『測定の為の基準値』で、よく知られているのは他に 「長さ・質量・時間」 があります(全部で7つ)。MKS単位と呼ばれますが、ここに電流をつけてMKSAとも呼ばれます。
電圧や電気抵抗や電力などはすべて、電流と他の基本単位である 長さ・質量・時間 を使い組み立てられたもので、それらは「組立単位」と呼ばれます。
そして、『電力とは単位時間に電流が流れることによって行う仕事量のこと』で、単位は「ワット[W]」で表します。
電力は電流が流れないと発生しません。どんなに電圧がかかっていても、電流が流れないことには仕事量(エネルギーの消費)はありません。
例えば、電車の架線と線路の間では直流で1500Vの電圧がかかっていますが、架線に鳥がとまっても鳥は感電することがありません。電流が流れないからです。しかしこれが架線と線路にまたがる形で接触したら、電気回路が構成され電流が流れて大変なことになります。
また冬によく発生する静電気も、人体にたくさんの電荷がたまっても金属に触れない限り感電しません。しかしこれがドアノブなどに触れた瞬間、電流が流れ感電します。

このような電気エネルギーの性質は”水”の性質にも似ています。
ここで水車を例にとって考えてみます。水車の上流にはダムがあることとします。ダムにたまった水はそのままでは位置エネルギーになりません。しかし、上流のダムから管をひき、下流の水車に水を流し当て水車を回すと水の位置エネルギーとして利用することができます。そして水位が高くて流量が大きいほど大きな位置エネルギーを取り出すことができます。水位が高くなれば位置エネルギーは高くなるのでこれが電圧に相当し、水を流すときに太い管を使うと水量は増えるのでこれが電流に相当します。水車に水が当たっている部分とその後流れている部分の圧力差が電圧降下で、水車から取り出された仕事量が消費電力に相当します。またこのとき、水の”位置エネルギーの元”になるのが重力で、電気の場合はそれがクーロン力になります。

注:水車前の水の出口を絞れば勢いよく水が出ることになりますが、これはベンチュリ効果で水の流速が上がったことによりそう感じます。水量が増えるわけではありません。

上の電球の例では、乾電池により電球(負荷)の両端に起電力がかかり、電流が流れ、光と熱が出てエネルギーが消費されます。そして、電球両端の電位差(起電力ではなく、オームの法則に基づく電位差)と電流の積が電力として計算され、光と熱に変換されたエネルギー量となることを示しました。このような”直流電流”では起電力さえかければ電流を流すことが出来ます。

ところが、”交流電流”では起電力をかけるだけでは電流は効率よく流れません。流れないどころか、電圧や電流がそのままは跳ね返ったりします。そしてそれは、交流電流の周波数が上がれば上がるほどその様な性質が顕著に表れてきます。(「直流と交流」へ)。



インピーダンス整合

私たちの身の回りにある家庭用電源の周波数は50/60Hzですが、これくらいの周波数ですと上記のような交流電流の特性を考慮して扱う必要はありません。しかし、数百KHzや数MHzといった周波数になりますと交流電流としての特性を踏まえた取扱いが必要になります。
それではそうした高い周波数の場合、電圧や電流をきちんと伝え、跳ね返させずに送り込むにはどうすればよいでしょうか?
物理的な説明は後回しにして、先に工学的な方法を明示しますとその方法は、
『送り側のインピーダンス(出力インピーダンス)と受け側のインピーダンス(入力インピーダンス)を合わせる』
ことになります。
インピーダンスというのは工学的な概念で、「波動」という物理現象を隠すことで取扱いを容易にしたものです。しかし取扱いは容易になったものの、「波動」が見えなくなったため体感的且つ直感的な理解がし辛くなっています。
整合器の実態は、波動を変換する器械であるということです。そして波動をインピーダンスとして扱い、その値を等しく合わせる行為を「インピーダンス整合」といいます。



インピーダンス

インピーダンスとは交流回路での電圧と電流の比です( Z = V / I )。
単位は 複素数の形、(インピーダンス) Z = (実部) R±(虚部) jX [Ω] で表します(数学と違い虚数は j を使い値の前に置きます)。
実部と虚部はそれぞれ分けて取り扱うことも出来ます。実部はレジスタンスで純抵抗における電圧と電流の比で単位は「オーム [Ω]」で表します。そして虚部はリアクタンスでコイル(インダクタンス)やコンデンサー(キャパシタンス)における電圧と電流の比でこちらも単位は「オーム [Ω]」で表します。
なぜ複素数を用いるのかというと、交流回路では時間の経過とともに周期的に電圧と電流が変化していきます。そのため、ある時点での電圧と電流の値を計算するには微分方程式を使って解くことになります。ところが、微分方程式を使って計算するのはとても大変で汎用性がありません。そこで計算を簡単にするため、微分方程式の代わりに複素数を用い計算する方法が考えられました。こうした交流理論は、ケネリーの「Impedance」という論文の中で応用されシュタインメッツという人物によって実用化されたといわれています。そしてこのような表示方法は「フェーザ表示」と呼ばれています。

フェーザ表示で取り扱える波形は「正弦波」のみです。正弦波以外の波形、例えば高調波が乗って歪んだ波形や方形波などは取り扱えません。なぜならフェーザ表示は正弦波を円の形に投影した物だからです。円の形に投影することで、微分方程式を使わねばならないような”非直線な値(非線形)”を”直線の値(線形)”に描き直しています。そしてそれは時間を角速度に、インピーダンスの絶対値を直線の長さに、電圧波と電流波のずれ(容量性か誘導性か)を角度にそれぞれ変換します。

インピーダンスでは、交流電流が実部の値であるレジスタンスに流れるとき電力として消費されます。しかし、同じく虚部の値であるリアクタンスに電流が流れても電力として消費されません。これはリアクタンス部においてはエネルギーを消費することが無い、とされているからです(「電気と物理」へ)。



効率よく電力を供給する

効率よく電力を供給することとはどんな状態を指すのでしょうか?
その状態は、電源にとって最適な電圧を供給し、最適な電流を流すことです。
そしてその最適な状態を作り出すには、電源の持つ内部抵抗と負荷抵抗を合わせれば自ずと最適な状態になります。「最大電力供給の定理」と呼ばれるものです。

高周波電源の内部抵抗は純抵抗50Ωで設計してあります。
もし負荷抵抗が純抵抗50Ωならば、内部抵抗と負荷抵抗が合っているので効率よく電力を送ることができ、整合器は必要ありません。
しかしながら、プラズマ負荷などの場合には負荷抵抗が純抵抗50Ωというのはあり得ません。抵抗成分だけでなくリアクタンス成分が必ず含まれます。この負荷の電気的な特性を [抵抗成分+リアクタンス成分] の「負荷インピーダンス」という名称で取扱います。
実際の値として負荷インピーダンスの値は、 18+j126[Ω] とか 4−j30[Ω] とか 600−j2580[Ω] とかだったりします。
その様な値ですから、負荷インピーダンスと高周波電源の間に「整合器」を入れることによりインピーダンス変換をし、「整合器と負荷インピーダンスをつないだ状態」で整合器の入力インピーダンスを測ると純抵抗の50Ωになるようにします。そしてこれで高周波電源の電力を効率よく負荷に送ることが出来るようになります。



交流電力は波の受け渡し

つぎに、交流の電力についてより身近な現象で例えてみます。
交流の電力を負荷に送るということは、電力という波を負荷に送ることと考えてください。
例えば水面にたてた波で考えてみますと、波は「壁」があるとそこで反射します。
交流の電力もこれと同じで、インピーダンス不整合という「壁」で電力の波が跳ね返ります。
そして反射された電力は電源に返ってきます。
電源から送り込む波が出力電力で「進行波」、跳ね返る波が反射電力で「反射波」といいます。

それではもう少し詳しく見ていきます。ここでは高周波電源の出口でみた事象について説明します。
電力は電圧と電流の積で表されます(電力P[W] = 電圧V[V]×電流I[A])。
そして交流の電力ですので、時間の経過とともに電圧の大きさと極性が反転し、同じく電流の大きさと向きが反転します。これらのそれぞれの事象を「波」ととらえます。電圧の波を電圧波、電流の波を電流波といいます。

反射電力が無い状態はこの電圧波と電流波の波が揃っていて、電圧波が上がるときは電流波も上がり、電圧波が下がるときは電流波も下がります。この状態を「位相が揃っている」といいます。


そして、このときに電圧と電流は負荷に対して効率よく伝わり、消費される電力「有効電力」となります。
ところが反射電力があるときは、この電圧波と電流波がずれることになります。この状態を「位相がずれている」といいます。

この「位相」がずれはじめると反射電力が大きくなり、電力が効率よく伝わらない状態になります。
そしてこのとき、消費されない電力「無効電力」がずれとともに大きくなります。

「位相」とは周期的に起こる現象の中の位置を表す値で、角度[°]で表します。一周期は360°なので値は0〜360°の範囲内になります。

電圧波と電流波の位相がずれる原因は、電源の内部抵抗と負荷抵抗に差があるためです。そして負荷抵抗の成分にリアクタンスが含まれていると、電圧波と電流波の関係は以下のようにずれてきます。

コイルだけの回路の場合、電流波に比べ電圧波が90°進みます。 
  
                     コイルの波形



コンデンサーだけの回路の場合、電流波に比べ電圧波が90°遅れます。

                   コンデンサーの波形



この90°という位相角の値はコイルやコンデンサーの値を変えても変わりません。
しかし、実際の負荷において位相角のずれは-90°〜+90°の範囲になっていて、ぴったり90°ということはまずありません。
では、そうするといったいどうやって位相角を任意に変化させることが出来るのかというと、そのコイルやコンデンサーに抵抗が加わることで位相角をある程度自在に進めたり遅らせたりすることが出来るようになります。
ところが整合器には抵抗が入っていません。そうすると上記の話は実現できないように思えます。しかし、抵抗は負荷インピーダンスの中に常に存在しています。ですからこの負荷インピーダンス中の抵抗を自然と使うことになり、コイルやコンデンサーの値を変化させることで位相角の制御が可能になります。

電圧波と電流波が同位相の時、電力はすべて負荷で消費されます。
ところが、電圧波と電流波の位相がずれているときは、電力が負荷で消費されず高周波電源に戻ってきます。
このとき、進行波と反射波とが互いに重なり合い波が止まってしまいます。これを「定在波」といいます。



給電線に同軸ケーブルを使う理由

電力という波をうまく伝えるためには、「高周波電源の出力インピーダンス」と「整合器の入力インピーダンス」を合わせなければなりません。
そのため、高周波電源と整合器との接続に用いる「給電線」もインピーダンス(特性インピーダンス)を合わせておかなければなりません。それでは仮に、高周波電源と整合器間を例えば銅線で接続したとしましょう。そうした場合、この銅線はインダクタンスになってしまい「高周波電源の出力インピーダンス」と「整合器の入力インピーダンス」が合わなくなります。しかも銅線が長くなればなるほどインダクタンスが増えてしまいます。

そこで考え出されたのが同軸ケーブルです。同軸ケーブルは構造上どの長さで切っても金太郎飴のように特性インピーダンスが50Ωになります。
同軸ケーブルの構造は電力を送る内部導体とそれを包む絶縁体、GND側となる外部導体から出来ています。絶縁体は誘電体になり、それはコンデンサーとなります。このとき同軸ケーブルの単位長あたりのインダクタンスとキャパシタンスのバランスをとって作ることで、どの長さで切っても特性インピーダンスが50Ωの同軸ケーブルを作ることが出来ます。




      同軸ケーブルの構造


50Ωという値になったのは、誘電体に固体ポリエチレンを使う場合「表皮効果」による損失を最小にする特性インピーダンスが50Ωだったからだと云われています(正確には約51.1Ωになります。50Ωの同軸ケーブルを選定するとき、50Ωのものと52Ωのものが有りますが、どちらを使おうと特に問題がないようです)。
ちなみにテスターで測っても特性インピーダンスは測ることが出来ません。測定にはネットワークアナライザ等の計測器が必要です。
また、高周波電源の出力インピーダンスの50Ωもテスターで測っても測れません。出力インピーダンスの50Ωは電源の設計をするときの指標値なので、高周波電源に抵抗が入っているわけではありません。

同軸ケーブルには高周波電流が流れていますので、他のケーブル類から離して設置します。決して他のケーブルとまとめて設置してはいけません。また、同軸ケーブルを巻くようなことは避けねばなりません。強い電磁波の発生源となり、トラブルの元になります。



同軸ケーブルの長さ(波長と波長短縮率)

光の速度は真空中の場合、秒速約30万Kmです。そして周波数とは1秒間に何回振動するかの数を表します。
光の速度を周波数で割ると1回振動するのに必要な長さが計算できます。これが「波長」です。
波長は「λ[m]」で表されます。λでの位置を表すのには角度を使います。始点が0°で終点が360°です。
波長を区切るときは、全波長のλか半分のλ/2で区切ります。

電磁波の速度は導体内では真空中より遅くなります。例えばポリエチレン絶縁の同軸ケーブルの場合、速度は真空中の約66%程度まで遅くなります。遅くなる分波長は短くなりますので比をとって「波長短縮率」と呼びます。
同軸ケーブルの長さを決めるとき、全波長もしくは1/2波長にケーブルの波長短縮率を掛けた長さのものを基本長とします。1/4波長と3/4波長は定在波が出たときに端部での波高が高くなるので避けた方がよいといわれています。

周波数によってはこの基本長以外のものでも問題なかったりしますが、周波数が高くなると注意が必要です。



インピーダンス整合器の設置

電気回路の最も大事なところは、いかに電流を損失がないように流すかに尽きます。それは、投入する電気エネルギーをどこへ導くかを考えることになります。

インピーダンス整合器は、負荷(真空チャンバー等)に最も近いところに設置します。そして、整合器から負荷までの接続には可能な限り短くてある程度太い「銅板」を用います。電流は負荷に送られて整合器に返ってくるまでの回路を流れますので、出力端子だけでなく、GND側もしっかり接続します。
電流はエネルギー損失がもっとも少ないところを通ろうとします。そのため、電流の流れる距離を短く、電流の通る道がたくさん出来るように太くします。

補足:このような「エネルギー損失が最も少ないところを通る」ということを実体験したい場合、石けん膜を使った実験をすることで目で見ることが出来ます。石けん膜を枠内に張ると、石けん膜は与えられた枠の中で最も低エネルギー状態の曲率(極小曲面)の膜を作ります。枠を様々な形にねじ曲げたりすることでそれを確かめることが出来ます。電流も同じで最も低エネルギー状態になる場所を通ります。そのために電気は空中を放電したり、絶縁物の沿面を伝って放電したりもします。

また、周波数が高くなると、「表皮効果」が出てきて電流が導体の表面の方に集中するようになります。そして、整合器と負荷をつないでいる接続板のインダクタンスが大きくなり、ケース等GND間と容量結合してコンデンサーになったり、場合によっては抵抗になったりして電力の損失につながります。

高周波電源と整合器のアースはしっかりとってください。高周波電流は思わぬところを伝わり、感電する恐れがあります。



整合器の損失

電力はエネルギーですが、このエネルギーを消費するのは抵抗だけです。
コイルやコンデンサを電気的モデルで考えるとき、これらはエネルギーを消費しません。
ところが、現物のコイルやコンデンサーにはわずかに抵抗があるため、エネルギーが消費されてしまいます。
これが損失となり、熱に変わってしまいます。
周波数が上がると特にコイルの損失が大きくなるため、コイルは水冷にしなければならないほどです。
コイルとコンデンサーでは圧倒的にコイルでの損失が大きくなります。
それではコイルは無くした方が良いのではないかと思われますが、そうした場合、プラズマ励起時の不整合状態から整合状態へと変化していくとき、整合器のインピーダンスカバー範囲を超えることでプラズマ励起に失敗する可能性があるので注意が必要です(容量負荷の場合)。



高調波

プラズマプロセスで整合器をいくら調整しても反射電力がある程度残ってしまうことがあります。
こうしたケースの場合、「高調波」が原因であることがあります。
高調波とは基本周波数(高周波電源の周波数)の整数倍の周波数が発生することです。
発生源はプラズマ気相中にありますので、電源や整合器の調整では発生を止めることは出来ません。
プラズマは電子が原子から分離した状態です。そこでは混沌とした電気的状況下にあるためこのような現象として現れているようです(自己バイアス電圧なども現象の一つです)。また高調波だけでなく、基本周波数とは関係ない周波数(基本周波数以下等)が現れる場合もあります。
整合回路は基本周波数で設計してありますので、それ以外の周波数が存在することを想定していません。原因を特定するにも、高周波電源を用いたアプリケーションそのものやチャンバー構造、プラズマプロセス等との様々な関連も可能性として考えられますので難しいところです。



整合回路

高周波電源の出力インピーダンスは50Ωです。
整合器は、この50Ωよりインピーダンスが大きい負荷を「ハイインピーダンス」、小さい負荷を「ローインピーダンス」の2種類で大別されます。このインピーダンスの違いにより、整合器の回路構成は違ってきます。基本回路はL型・逆L型・π型があります。
インピーダンス整合器の回路構成に用いる素子にはエアバリコン、ガスバリコン、真空バリコン、固定コイル、可変コイルがあります。このとき、RF周波数、電力、負荷電極の形状(コイルor平行平板)や、アプリケーションの種類(CVD、エッチング、アッシング、分光分析等々)により使用する素子を選定します。

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